秘書検って何? 準一級を取得して思うこと

私は大学生の時に、秘書技能検定準一級を取得しました。

結論から申し上げます。直接的には全く何の役にも立たないです。個人の経験上、資格自体が何かの助けになったことは今のところありません

ただ、資格取得のために学習した内容は、学生から”オトナ”の仲間入りをする段階で、取り組んでおいてよかったと思えるものでした。

秘書検とは? 秘書技能検定試験の概要

まず秘書技能検定の概要をご紹介します。

秘書技能検定は、秘書業務を行う上で身につけておくべき知識や能力、マナーや一般常識などを問うものです。財団法人実務技能検定協会が実施している、文部科学省後援の検定試験です。

秘書業務を行う上で、とお伝えしましたが、社会で働く人々の人柄を育成することが、検定の主な目標として掲げられています。秘書を目指す人だけが受ける検定試験ではない、ということですね。

また、一度取得すると資格に期限はありません。試験合格者には、カードの合格証が発行されます。

試験内容 どのようなことを学ぶのか

3級から1級まで、全4段階あり、級が進むごとに、秘書業務の実務内容により即した内容が出題されます。

試験は筆記で、3級は2級は選択式、準1級は選択式と記述式、1級は記述式です。記述試験では、字の美しさも採点基準に含まれています。準1級と1級では、二次試験として面接が実施されます。

一般常識の分野では、テーブルマナーや冠婚葬祭の知識など、ビジネスシーンに限らず、幅広い分野に関する知識が問われます。職務に関する分野では、適切なファイリング方法や仕事の優先順位など、具体的で細やかな知識や知恵を問われます。

準1級面接 独学では厳しいです

筆記試験通過者のみ、面接を受けます。この面接、実は少し厄介なのです。

実際に秘書として長く実務に就かれていらっしゃる方も、試験用に対策しておかなければ、要件を充たせずに、不合格になるとのこと。独特な発声方法や、お辞儀の角度や秒数、足を向ける角度など、この検定独自の審査基準が、細かく設けられているのです。

項目はたくさんあるのですが、例えば語尾。話し終わりは、必ず声が上がり調子にならなくてはいけません。お世話になった講師からは、選挙のウグイス嬢を想像して、と言われました。

他にも、文中の「、」「。」に秒数が定められていたり、語彙レベルや、敬語の使い分け、などの話法から、どちらの足から動き出すか、手を動かす位置などの項目もあります。

筆記試験は独学でも合格できると思いますが、面接を受けられる方は、単発の講座でもいいので何か対策をされることをおすすめします。

私は、面接対策の講座を受講しました。
ビデオカメラで録画して、何度も見返してマイナスポイントないかチェック。慣れるまでは相当心が苦しい試験対策でしたが、自分の立ち振る舞いを客観的に観察することなんて滅多にないので新鮮でした。

検定試験の効果 資格をとってみてわかったこと

秘書検定に合格したからと言って、就職活動に有利かと言えばそうではないです。また、秘書希望の方であっても、資格が必要なわけではありません。実感としては、採用面接の話題にはなるかな、くらいなもの。あまり期待できません。

ただ、わかったつもりになっている敬語の使い分けだったり、冠婚葬祭での正しい振る舞い方などは、日常生活で活かすことができます。試験が終わってからも、事あるごとに、試験対策で使用していたテキストを、辞書のように使っています。

また、面接対策を通して、少しの動作の違いで、人に与える印象が大きく変わってしまうことも学びでした。ふとした瞬間にとる所作ひとつで、ここまで見え方が変わるのかと衝撃でした。

いかがでしたか

前述のとおり、秘書検が就職活動に有利になることはまずないでしょう。秘書を目指していたとしても必須ではありません。

しかし、試験内容自体は役立つことが多いので、興味のある方はテキストを覗くことから始めてみてはいかがでしょうか。

HANAE