アメリカでのホームステイ 宗教についていけず1か月で転居

  • 2020-05-24
  • 2020-05-25
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大学を休学して10カ月間、アメリカ・ボストンに語学留学しました。当時の住まいですが、校舎内の寮→ホームステイ→学校外の寮、と3か所を経験。そのなかから、ホームステイでの体験をご紹介します。

生活を疑似体験したい

留学してはじめの3カ月ほどは、校舎の上にある学生寮で3人1部屋のルームシェアをして暮らしていました。特に不便なこともなく、勉強できるスペースは24時間開放されているし、あらゆる国地域の学生と交流できて「留学してるなぁ」と実感する毎日でした。グループワークの為に集まりやすいのも利点でした。

そんなこんなで楽しくやっていたのですが、途中でふと軌道修正してみたくなりました。アメリカに根を張って生活している一般家庭のことも知りたい。そう思ったのです。

思い立ったが吉日ということで、さっそく学校内のハウジングスタッフに相談。と同時に、ホームステイをしていて且つもうすぐ帰国する生徒を見つけては、家の様子を聞き込みしました。良さそうなホストファミリーが居れば、ところてん方式で次にそのまま住ませてもらうよう、話ができると思ったからです。

家庭でのあれこれ

友人のうちの一人が帰国するのに合わせて、その方が使っていたお部屋でホームステイを開始することに。学校からバスを乗り継いで40分ほどした場所にある一軒家です。子どもが二人いて、ご主人がプロのピアニストというご家庭でした。

生活のリズムや家庭でのルールを合わせるのは当然なのですが、少し戸惑ったのは宗教的な決まり事でした。日々の暮らしの中で、厳格に教えに従って生きていらっしゃいました。

例えば、食事。全員が夜7時に食卓について、何かのお祈りの言葉があって、静かに食事をします。お肉と乳製品を一緒にしてはいけないので、食器もそれぞれ専用のものがありましたし、洗い場も二つに分かれていました。自分で何か食べ物を買ってくるにしても、ルールに従って製造されたものかどうか確認が必要です。

他にもいろいろありますが、合わせるのも大変で怖くなってきたので、自室にいることが多くなっていきました。せっかくホームステイをしているのに、会話もできずにもったいないことをしたと思っています。

子どもたちの通う学校も宗教の学校だったのですが、たまに行事に参加させてもらったりしました。教えを強要されるわけではないので、傍観しているだけの立場として、異文化すぎて圧倒されました。

なぜ一カ月で引っ越し?

だめだ、全然馴染めない。頑張って馴染む気になれない…。自ら望んで一般家庭にお世話になりにきたにも関わらず、毎日家に帰るのが辛くなってきました。

毎日決まった時間に絶対食卓に座っていなければならないのが何より苦痛でした。食事中も楽しくお喋りができるわけでもなく、粛々といただくのです。何気ない発言もピシャっと訂正されたりしたので、そろそろ反発するような態度に出てしまいそうと思いました。

ちょうどそのころ、インターンシップの応募も始めたタイミングでした。少しでもインターンシップ先に近い方が都合がいいというのもあって、ホストファミリーには内緒で再び引っ越しを検討するのでした。ホストファミリーは学生が居てはじめて収益になります。ですので、引っ越しをする素振りを見せてしまうと引き止められてしまうことが多いです。次の転居先を見つけてから、きちんとお話をしてお家を出ました。

家庭にお世話になって思うこと

一般家庭の生活に入らせてもらい、なかなかお邪魔できない学校行事などに参加させてもらえて、ホームステイをしたこと自体後悔はしていないです。居心地の悪さ含め、経験させてもらえたこと、感謝しています。子どもたちが可愛すぎて癒されたのもあります(笑) とはいえ、あのタイミングですぐに転居してよかったとも思っています。

家で気を遣いすぎてしまって疲れては、どこで休めばよいのでしょう。留学中はただでさえ慣れない環境に、知らず知らずのうちに疲れてしまいます。もちろん、学校以外でもあらゆる文化に触れて英語でコミュニケーションをとるのは大事です。積極的になれないのであれば、思い切って環境を変えてしまうのもひとつの手段だと思います。

結果オーライでした

何事も環境のせいにしてはいけない。

けれど、変えられる環境であれば軽やかに移動してしまっていいと、私は思います。あくまで私の場合はということですし、このケースはということでもあります。いつもそうとは限りません。ただ、転居先の寮がとても私には合っていたので、あの時無理に固執しなくてよかったなと思っています。

HANAE